マイルを貯めるということは、つまりどういうことか?

当サイトでは「マイルを貯めてビジネスクラスで海外旅行にいこう!」という掛け声のもと、マイルを貯める手段としてハピタスなどのポイントサイトの解説を行っています。

本記事では、これまでの記事とはちょっと視点を変えて、「マイルを貯める」という行為自体がどういう意味を持つことなのかを考察したいと思います。

利用者から見た「マイルを貯める」という行為

マイルを貯めるためにポイントを貯める

何のためにマイルを貯めるのか?マイルを貯めることにどんな意味があるのか?我々利用者視点で見れば、以下の通りです。

  1. クレジットカードやポイントサイトを活用してポイントを貯める
  2. 貯めたポイントをマイルに交換する
  3. マイルが貯まったら特典航空券に交換する
  4. 特典航空券で海外旅行に行ってやっほ~い!

一番厄介なのが、1番の「クレジットカードやポイントサイトを活用してポイントを貯める」ところです。

ポイントさえ貯まってしまえば、あとは所定の手続きに従ってマイルに交換し、貯まったマイルで特典航空券を発券するだけです。

その為、当サイトでも1番にフォーカスして、いかにして効率的にポイントを貯めるのかに重点を置いた記事が多くなっていますし、最も効率的にポイントを貯めることが出来るポイントサイトとして、ハピタスを多く紹介しています。

同様に、特にANAマイルにに絞って、ANAマイルが貯まりやすいクレジットカードについての解説も行なっています。

マイルを貯めたい我々から見れば、とにかくポイントさえ貯める事が出来れば、あとはビジネスクラスまでまっしぐらというイメージになります。

貯めたマイルを使う

実は3番の「マイルが貯まったら特典航空券に交換する」も厄介です。

特にANAマイルは貯めやすく使いにくいと言われています。

JALやデルタなどのマイルと比べて簡単に貯めることが出来るため、陸マイラーの多くはANAマイルを貯めています。

ちゃんとした統計がないので推測の域を出ませんが、日本国内に限って言えばANAマイルを貯める陸マイラーが最も多いはずです。

陸マイラーが多いということは、特典航空券を狙っている人が多いということです。

ANAやJALなどの航空会社としては、マイルを配っている以上、特典航空券を発行しないわけにはいきませんが、用意する特典航空券枠は極めて少なくしています。

ANAの一般会員では、ビジネスクラスの特典航空券枠は1便に付き2席程度しかないと言われています。残念ながら4人家族では全員分のビジネスクラスを確保することは出来ません。

この少ない特典航空券枠を多くの陸マイラーで取り合う形になりますので、マイルが貯めやすい反面、そのマイルを使って特典航空券が取りづらいということになります。

もちろん、やり方はあるのですが、ここでは本題から外れてしまうので割愛します。

その為、当初はANAマイルを貯める陸マイラーとして活動していたけれど、ある程度安定してマイルを貯めることが出来るようになってくると、JALマイラーに転向していく人も多いです。

ハピタスは、ANAのマイルに交換するためにポイントを利用者に還元している訳ではありませんので、貯めたポイントをANAマイルに交換するのも、JALマイルに交換するもの自由です。

マイルを貯めるということはポイントを貯めるということ

マイルというのは、ご存知かもしれませんが、航空会社が展開しているポイントサービスになります。

ポイントサービスの名称を「マイレージサービス」と言い、付与されるポイントのことを「マイル」と呼びます。

マイレージサービスは各航空会社が行っていますが、日本で有名なマイレージサービスは、以下4つです。

  • ANAマイレージサービス(全日空)
  • JALマイレージバンク(日本航空)
  • マイレージ・プラスプログラム(ユナイテッド航空)
  • スカイマイル・ロイヤリティプログラム(デルタ航空)

航空会社のサービスを利用してくれた人にポイントを付与することで、次回飛行機に乗る時も、うちの会社を使ってねということです。

楽天市場でお買い物をして楽天スーパーポイントが貯まり、そのポイントで次回お買い物ができるのと同じことです。

航空会社からみた「マイルを貯める」という行為

マイレージサービスにおける航空会社のメリット

航空会社がマイレージサービスを展開し始めた目的は顧客の囲い込みです。

ポイント(マイル)が貯まることをきっかけに、飛行機に乗る時は基本的にはANAを使う、もしくはJALを愛用するということを狙っています。

もう少し枠を拡げると、各航空会社は提携していてマイルの使い回しが出来るようになっていますので、ポイントが貯まることをきっかけにスターアライアンス連合の航空会社を使う、もしくは、ワンワールド連合を愛用するという形になります。

マイレージサービスを展開することで顧客が増えるのは良いことです。どうせマイルとして付与する分は、元々航空券代にちゃんと織り込まれているわけですから。

マイルと他社ポイントとの価値の違い

当サイトでも折に触れて解説していますが、マイルの価値はその他のポイントと比べると若干高くなっています。

通常、楽天スーパーポイントやTポイントなどは、1ポイント=1円ですが、マイルの価値はときには1マイル=10円を超えることもあります。

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これはおそらく航空会社が、他のポイントとの差別化をはかるために、あえて狙って設定しているとしか思えませんが、「マイルの価値 > 他社ポイント」という図式はすっかり定着しています。

そうなると、同じポイントを貯めるなら楽天スーパーポイントやTポイントよりも、マイルを貯めようという人が多くなってくるのです。

まさに航空会社の思うツボです。

他社ポイントからマイルへ交換するということ

マイルの価値が高くなってくると、他社の1ポイントを1マイルとして等価交換するわけにはいかなくなってきます。

他社ポイントから交換する際の一般的な相場としては、1ポイント=0.5マイルが相場になっていますので、1ポイント(1マイル)あたりの価値はマイルの方が2倍ということになります。

ただし、上述の通り、マイルの人気は非常に高いので、他のポイントを展開している事業者もマイルへの交換が出来るようにすることで、自分のところのポイントの価値を保とうとします。

つまり、せっかく貯めてもマイルに交換出来ないのでは、ここのポイントは貯める意味がないな、と思われないようにしないといけないのです。

ますます航空会社の思うツボですね。

マイルが貯まるクレジットカードも同じような枠組みになっています。

ANAやJALが単独で発行しているクレジットカードもありますが、多くはANAやJALなどの航空会社と、別の事業者が提携してクレジットカードを発行しています。

ANA陸マイラーの間で有名なクレジットカードが「ANA To Me CARD PASMO JCBカード」ですが、このクレジットカードもANAと東京メトロとJCBの3社が提携して発行しているクレジットカードになります。

特徴としてメトロポイントからANAマイルへの高い交換率をうたっていることから分かる通り、このクレジットカードもANAマイルの人気にあやかって、ANAマイルを貯めている陸マイラーを取り込む目的で発行されているものと思われます。

発行時の狙い通り、「ANA To Me CARD PASMO JCBカード」は、愛称のソラチカカードとして、ANA陸マイラーから爆発的な人気を得るクレジットカードになりました。

ANAマイルを貯めるためには必須のクレジットカードとも言われ、「ソラチカルート」なる造語も生まれるほどになりましたが、皮肉なことに、この人気が異常なほどに高まりすぎた結果、ソラチカルート閉鎖という事態に至っています。

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航空会社にとってのマイル交換の位置付け

一方、航空会社にとってもマイルへ交換してくれるポイントが多く存在することは、重要な意味を持ってきます。

我々利用者視点では、例えば貯めた楽天スーパーポイントをマイルにするときには「ポイントをマイルに交換する」という表現になりますが、楽天と航空会社の間では同時にマイルの売買が行われています。

もしあなたが、楽天市場で貯めたポイントをANAマイルに交換しようとする場合、1,000ポイントが500マイルに交換出来ます。

これは、ANAが自社のマイルを500ほど楽天に売って、その代わり楽天はあなたが貯めた1,000ポイントを無かったことにするという動きになります。

あなたが1,000ポイントを使って楽天市場内で買い物をするはずだったものを、その1,000ポイントに該当する1,000円相当を楽天市場がANAに支払うことで、ANAマイルを手に入れて、あなたに付与しているのです。

航空会社にとっては、マイルへの交換に応じるということは、マイルを販売するということになります。

本来の航空サービスの利用者に、利用してくれた分に応じてマイルを付与するのとは、ちょっと違うということが分かりますでしょうか?

航空会社はマイルを売ることで利益を得ているのです。

マイル販売に熱心なANA

最初に説明したように、ANAのマイルは貯めやすく使いにくいです。JALの方が貯めにくいけど使いやすいです。

これには両社の掲げる戦略の違いが見えてきます。

ANAはたくさんマイルを販売することで、多くの利益を得ようとしています。もちろんそのマイルを使って特典航空券を手に入れる利用者がいますので、その分無料で航空券を払い出ししないといけません。

しかし、ANAマイルを貯めている人が全員全てのマイルを使い切ることは、まずありえないでしょう。

特典航空券に変えるほどには貯めることが出来ず有効期限切れになってしまう人もいますし、積極的にマイルを使っている人でも、ゼロになるまで使い切るのはかなり難しいことです。

そうすると、皆の手元に少しずつマイルが残る状態となり、この母数が多いと合算でかなりマイル数が使われずに眠っている状態となります。

しかしANAはマイル交換に応じたタイミングでマイルの販売が終わっていますので、そのマイルが使われずに眠ってしまったとしても失うものはありません。

むしろ、全て眠ってくれるとありがたいとさえ思うわけです。

ANAは多くのマイルを販売するために、提携先を拡げ、陸マイラー活動を支援しようとします。

ソラチカカードの存在がいい例でしょう。

その代わり、特典航空券に交換できる座席数を少なめにして、販売したマイルが多量に使われるのを未然に防いでいます。

企業戦略としては、よく考えられていると思います。

ANAにとってのマイル保有者は陸マイラー
ANAにとってマイルを持っている人は、お客様というよりは、陸マイラーという括りで捉えている傾向があります。

既存顧客に重きを置くJAL

JALも基本路線はANAと同じで、マイルを販売して収益をあげています。

しかし、ANAと比べるとマイルの本来の使い方を大事にしている側面があります。

つまり、航空サービスを利用してくれたお客様に対してマイルを付与する、そのマイルを使ってまた自社便を利用してもらうことです。

その為、JALはANAと比べると飛行機搭乗以外でマイルを貯める方法が少なく、結果としてマイルを貯める事がANAよりも難しくなっています。

そして、特典航空券用に開放されている座席数もANAより(おそらく)多く設定されており、特典航空券が取りやすい状態になっています。

JALマイルを貯めている人は、ANAマイルを貯めている人に比べて飛行機を利用して貯めている人が多いので、ちゃんと飛行機を利用してマイルを貯めたのに、それを使って特典航空券を取得できないのはおかしいじゃないか、という立場をとっています。

JALにとってのマイル保有者は陸マイラー
JALにとってマイルを持っている人は、陸マイラーというよりお客様という認識が強くなります。

ANAとJALのマイルを貯めるということに対する認識の違いは、良し悪しではなく企業戦略の違いとなります。

マイレージサービスを従来の目的の枠組みの中で展開することに注力するのか、それを収益に繋げるように活用方法を拡げるかの違いです。

ですので、実際に顧客サービスの質の違いになる訳ではありません。

飛行機に搭乗してマイルを貯めた人も、陸マイラー活動でマイルを貯めた人も、特典航空券を取得して飛行機に乗る際は、同じようにお客様として扱ってもらえます。

まとめ

元々陸マイラー活動というのは、あぶく銭のように手に入れたマイルを使ってビジネスクラスで海外旅行に行こうという考えが基本になります。

年会費無料のクレジットカードを発行するとポイントが貯まり、そのポイントを交換するとマイルが貯まり、貯まったマイルでビジネスクラスに乗れてしまう。

ともすると発行したクレジットカードは使わずじまいで解約してしまっているかもしれない。

これはクレジットカード会社や航空会社のそれぞれの思惑が複雑に絡み合うことで成立している図式なので、何も悪いことではありませんが、誰かが違う思惑を持つようになると、途端に崩れていくかもしれない危うさを持っています。

そう、ソラチカルートのように。

そういった形でマイルが使われることに難色を示していたのがJALでしたが、最近は JALも陸マイラーを容認するどころか、積極的に支援する姿勢を見せ始めています。

現状では、マイルを販売する、その一環で陸マイラー活動を支援する形になっていたのはANAの方でした。

そのため、JALよりANAの方がマイルを貯めやすいということになっていましたが、今後は少し変わってくるかもしれません。

おそらく近いうちに、JALのマイルももっと貯めやすくなっていくことでしょう。

そうなるとANAとJALのマイルの取り扱いに差別化がなくなってきますので、またANAが何かしら次の一手を打ってくる可能性もあります。

2社は良きライバルですからね。

ただ、私たち陸マイラーは、純粋な意味での航空会社のお客様ではありませんので、こういった各社の思惑にはいつも振り回されていくことになるでしょう。

「マイルを貯める」ということが、どういう意味を持つのか、なぜ陸マイラー活動というものが成り立っているのかを、理解しておくと良いかもしれませんね。

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