ANA ワイドゴールドカードのような、三井住友系のANAカードを使用している場合、「マイ・ペイすリボ」を利用すると以下のような恩恵が受けられます。
- 年会費の割引
- マイル還元率の向上
当然リボ払いを利用すると利息が発生します。
年会費を抑えるために多額の利息が発生しては意味がありませんので、本記事ではマイ・ペイすリボによるリボ払い手数料(利息)を最低限に抑える方法を解説いたします。
とりあえず結論から
利息という話をしていきますので、本記事は細かい金額や数字の話になっていきます。
- 初回だけ支払い金額を500円以上残す
- 2回目以降は支払金額を100円以上残す
リボ払いサービスを使い始めた1回目だけ500円残して繰り上げ返済。2回目以降は100円残して繰り上げ返済しましょう。
なぜマイ・ペイすリボを利用する必要があるのか?
クレジットカードを使いすぎてしまって、今回の支払いが厳しいから支払額を少なくしたい、ということもあるでしょう。
しかし、一時的な支払額が減ったとしても、残金に対して利息が付きますので最終的な総支払額は増えてしまいます。
出来るならばリボ払いサービスなど使いたくはないというのが正直なところです。
ただ、カード会社もリボ払いの利息で稼ぎたいという思惑もあり、なんとかリボ払いを使ってもらおうと特典をちらつかせて誘惑してきます。
特典1:年会費の割引
ANA ワイドゴールドの年会は税込15,400円ですが、マイ・ペイすリボで1回でも手数料を発生させると年会費が3,850円割り引かれます。
WEB明細サービスと併用することで年会費が税込10,450円となり、実質ANAゴールドカード系では年会費が最安になります。
特典2:ポイント2倍
ANA ワイドゴールドカードで決済すると、200円ごとに1ポイントのVポイントがもらえます。
さらに、マイ・ペイすリボで利息が発生した月は、このVポイントがもう1ポイント、つまりポイントが通常の倍獲得できます。
マイルに交換する場合、200円利用でもらえる通常の1ポイントはANAの2マイルに交換ができます。
一方、マイ・ペイすリボの利息発生で獲得した追加ポイントは、1ポイントをANAの0.6マイルに交換ができます。
つまりクレジットカード200円の利用で2.6マイル。分かりやすく1000円利用で計算すると13マイルが獲得できます。
マイ・ペイすリボを利用しない場合の、ANAワイドゴールドのマイル還元率は1%ですが、マイ・ペイすリボを利用するだけでマイル還元率が1.3%になります。
陸マイラーとしてマイ・ペイすリボの魅力
年会費が安くなる、マイル還元率が良くなる、どちらも陸マイラーにとっては魅力的な特典です。
少しでも利息を稼ぎたいカード会社と、少しでもマイルを稼ぎたい陸マイラーの思惑が合致しているのがマイ・ペイすリボサービスの特徴です。
ただ、あくまで陸マイラー視点で見ると、利息はなるべく払いたくないものです。
ANA ワイドゴールドカードを使いこなすポイントは、マイ・ペイすリボの利息支払いを極限に抑えてボーナスポイントだけはしっかりもらうことです。
マイ・ペイすリボの基本情報
細かい解説をするにあたり、覚えておいてもらいたい基本情報です。
- ANA ワイドゴールドカードの締め日は毎月15日
- 支払日は翌月の10日(休日の場合は翌営業日)
- 初回支払い時はリボ払い手数料が発生しない
- リボ払いに対する手数料は年利15%(≒日利0.041%)
- 支払金額確定メールは毎月26日に送られてくる
まずは、これが基本情報です。
マイ・ペイすリボの使い方
マイ・ペイすリボを利用するには、事前の申し込みと毎月の支払金額の設定が必要です。
マイ・ペイすリボの申し込みはWEB画面上「Vpass」から行えます。
これ以降、リボ払い金額の調整は「繰り上げ返済」を基準に行います。
ですので、あなたが毎月ご利用になるクレジットカード決済額を超えないように設定してください。
*最低設定金額は5,000円です。
基本はマイ・ペイすリボ設定金額にリボ払い手数料という名の利息を加えて、毎月の支払額はほぼ一定になります。
ただし、本記事では繰り上げ返済を行いリボ払い手数料を最低限に抑えていきますので、ここのステップで繰り上げ返済を実施します。
リボ払い手数料発生の仕組み
まずはリボ払い手数料の計算方法です。
年率15%の金利が発生し、それが日割り計算になります。
単純に1日あたりの金利は15%÷365日で0.041095…%です。
繰り上げ返済を行った後のリボ払い残金が45,000円の場合、まずはざっくりと以下のような計算になります。
端数は切り捨てられます。
クレジットカードの支払は毎月1回ですので、1回リボ払い残金を残すと次の支払日までの1ヶ月間の期間分の利息が発生します。
上の計算式は仮に1ヶ月を31日として計算しています。
実際には、ANA ワイドゴールドカードの支払日は毎月10日ですので、同じ月の中でも10日より前と後でリボ払い残金が異なります。
リボ払い手数料のシミュレーション
基本情報と計算式だけでは分かりづらいと思うので実際にシミュレーションしてみます。
具体的にシミュレーションするために、日付や金額も以下のように設定しますね。
あなたは夏前にANA VISAワイドゴールドカードを申し込んで、暑くなってきた7月中旬に無事カードが手元に届きました。
というところからです。
- クレジットカードの使い始めは7月19日
- 最初の締日を8月15日に迎えます
- 8月15日までの使用分が7月請求分として9月10日に引き落とし
- クレジットカードの利用代金は7月が98,250円
- 8月の利用代金が85,730円
- 毎月のマイ・ペイすリボの支払い設定は5万円
まずは初回支払い時の利息計算
7月19日にカードが到着した後、緑色の線の期間で98,250円をクレジットカード利用しました。
8月15日が締日なので、7月19日~8月14日までの26日間がクレジットカードの利用期間です。
Vpassでの支払金額の調整
そうすると、8月26日に「支払金額のお知らせ」というメールが届きますので、Vpassへログインしてリボ払い金額の調整を行います。
マイ・ペイすリボの設定金額が5万円ですから、「今回お支払額」が5万円、「今回お支払い後元金残高」が48,250円になっています。
このままだと、48,250円に対して利息が発生してしまいますので、Vpassのメニューから支払金額の増額を行います。
1,000円単位で指定できますので、支払金額を47,000円追加して合計97,000円としてください。
そうすると「今回お支払い後元金残高」が1,250円になります。
間違っても繰り上げ返済を48,000円で指定して、残高を250円にしてしまわないように注意してください。
支払い金額を増やす場合は1,000円単位、減らす場合は10,000円単位で調整可能です。
調整しやすいように、マイ・ペイすリボの初期設定額は低めがおすすめです。
こうなるはずです。
本当でしたら「内手数料・利息」のところにリボ払い手数料が表示されるのですが、初回はリボ払い手数料が発生しません。
今調整した残金1,250円に対する利息(リボ払い手数料)は、次月のクレジットカード明細で明記されます。
三井住友カード側の言葉が統一されておらず紛らわしいですが「リボ払い手数料」「手数料」「利息」は同じことを指しています。
2回目支払い時の利息計算
無事に9月10日に支払いを終えると、1,250円の残金が残っています。
そして9月11日から日割りで利息が発生するわけですが、次の支払日の締日が9月15日と間近に迫っています。
ということは、1,250円の利息は9月11日~15日までの5日間に対して発生します。
2円の利息が発生しますね。
同時に、8月16日~9月15日の締日までにあなたは85,730円をクレジットカードで利用しました。
先ほどと同じように、9月26日に「支払金額のお知らせ」メールが届きます。
再びVpassでの支払金額の調整
Vpassにログインしてクレジットカードの利用明細を確認すると、きっと以下のようになっているでしょう。
1行1行解説するとややこしくなりますので、重要な点に絞って説明します。
- 前回繰り上げ返済して残った「1,250円」が「前回お支払い後元金残高」として表示
- 1,250円に対する利息の2円が「内手数料・利息」として表示
- 今回利用した85,730円と残金1,250円が合計で86,980円
- そのうち、マイ・ペイすリボで毎月5万円を支払う設定なので、支払い後の残金が36,980円
このままでは、やはり36,980円に対して利息が発生してしまうので、支払金額の変更を行います。
1回目は利息の発生期間が5日しかありませんでしたので少し多めに残金を残しましたが、2回目以降は1ヶ月分で利息計算されますので100円残せば大丈夫です。
ただ、1,000円単位でしか調整ができませんので、今回の場合は支払金額を36,000追加して合計86,002円としましょう。
こうなります。
10月10日は日曜日ですので、翌月曜日の10月11日に86,002円があなたの銀行口座から引き落とされます。
この月はクレジットカードを85,730円使いましたので、Vポイントが428ポイントもらえます。
これはANAのマイルに交換すると856マイルです。
また、利息も発生しましたのでさらにVポイントが428ポイントもらえます。
これをANAマイルに交換すると256マイルですから、2円で256マイル買えた計算です。
1マイルあたり0.0078125円と超格安でマイルが手に入りました。
3回目の支払い時の利息計算
さて、次の利息は今回残した980円にかかってくるわけですが、その前の1,250円という残金もまだ生きています。
なぜなら、先ほどは9月15日に締日が来たので1,250円に対する利息は5日分しか発生しませんでしたが、この1,250円を払い終わるのは10月11日です。
つまり2種類の利息が発生します。
- 9月16日から10月11日までの25日間は1,250円に対する利息
- 10月12日から10月15日までの4日間は980円に対する利息
合計で13円の利息が11月10日に支払われることになります。
4回目以降の支払い時の利息計算
4回目以降は3回目と同様の計算になります。
- 今回調整した残金の4~6日分の利息
- 前回調整した残金の24~26日分の利息
支払日が土日祝日にあたり翌営業日に持ち越されたり、月の日数の違いによって、どちらの残金が何日分発生するかは多少揺れます。
利息を最低限に抑えるには?
リボ払い手数料が発生する「最初の月」だけ少し厄介ですが、それ以降は基本的に締日の翌日の16日から翌月の締日15日までの1ヶ月間に対して利息計算が行われますので、あまり深く考えなくても大丈夫です。
月内日数は31日が最長ですので、31日間利息が発生するとした場合、残す残金と発生する利息の関係は以下のとおりです。
支払い残金 | 利息 |
---|---|
70円 | 0円 |
100円 | 1円 |
200円 | 2円 |
300円 | 3円 |
400円 | 5円 |
500円 | 6円 |
600円 | 7円 |
700円 | 8円 |
800円 | 10円 |
900円 | 11円 |
1000円 | 12円 |
70円になると利息が発生しなくなりますので、Vポイントが2倍もらえません。
細かく言うと80円以上の残金があれば利息が1円発生しますが、私はキリよく「100円」を基準に調整しています。
正確には79円~156円までの間であれば利息1円です。
まとめ
年間で支払い利息の合計は100円以内に収めることができます
実際にはクレジットカードの利用額を1円単位10円単位ではコントロールできませんので、なかなか残金を100円台にすることは難しいです。
マイ・ペイすリボの支払金額の調整が1,000円単位ですので、残金が100~1,000円の間のどこかになってきます。
中央値は550円ですので、平均的に見ると毎月7円程度の利息が発生します。
それでも7円を12ヶ月間繰り返しても、年間で支払う利息は100円にもなりませんので、年会費割引の3,850円は十分元が取れます。
しかもANA ワイドゴールドを利用していれば、年間100円の追加支払いでマイルの還元率が1.3倍になるわけですから、陸マイラーとしてはマイ・ペイすリボを活用しない手はありませんね。
本記事ではマイ・ペイすリボでの利息に関する説明しかしていませんので、肝心のクレジットカードに関する解説はありません。
ANA ワイドゴールドのVISA版、ANA VISAワイドゴールドの詳細については以下の記事をご参照ください。
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